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2014年1月25日

【この1冊】『嘘だらけの日韓近現代史』

日本側から見た日韓近現代史

c140125.png著者・倉山 満
扶桑社新書、定価760円+税

 

 著者はもともと憲政史の研究者だが、最近、『嘘だらけの日米近現代史』、『嘘だらけの日中近現代史』を書き、政治問題化している「歴史問題」の日本の立場を手軽に学べる書として読まれている。

 本書はまさに日韓の歴史認識について日本の立場を明確に書いている、いわば「日韓の歴史問題の解説本」であり、両国間で問題となっている幾つかの論点についても日本の立場を明確に説明している。

 例えば、韓国政府は、伊藤博文を暗殺した安重根を英雄としてハルピンに銅像を建てようとしているが、著者によれば、朝鮮を正式に植民地化するのに最も慎重だったのが伊藤であり、その人間を暗殺することによって、結果的に「安 重根が朝鮮の主権を奪ったことになる」と言う。

 現大統領の父である朴正煕元大統領こそが、韓国の発展の基礎を構築した「国父」と呼ばれるにふさわしい大統領だったにもかかわらず、「植民地支配の謝罪と賠償を求めないまま日本と国交回復した」と責められる状況にあり、それが現大統領の反日発言の理由となっているなど、「なるほど」と思わせる記述も多い。

 しかし、「自ら地獄に落ちる韓国」など、相手の感情を逆なでするような記述も少なからずあり、本書が韓国側に受け入れられるとも思えない。それでもなお、現在の日韓間の歴史認識の違いを整理できる好著だ。 (酒)

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