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2017年4月 6日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」14・派遣労働者のための就業規則改正①

Q 労働者派遣事業を営んでいますが、今回許可更新を迎えるのにあたって、派遣労働者の就業規則を見直したいと考えています。就業規則についてはここ最近変更していなかったので、必要な部分があれば手直しをしたいと思っているのですが、許可更新にあたって取り急ぎ何か必要となる対応はあるのでしょうか?

 平成27年の派遣法改正では数多くの制度改正がありましたので、それにともなって派遣労働者の就業規則も変更や追加が必要となると考えられます。当面、許可申請や更新申請にあたって最低限必要とされているのは、以下の3点です。 

①教育訓練の受講時間を労働時間として扱い、相当する賃金を支払うことを原則とする取扱いを規定すること。
②派遣労働者を派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと(有期雇用派遣労働者については、派遣契約終了時に労働契約が存続している場合)。
③労働契約の期間内に派遣契約が終了した派遣労働者について、使用者の責に帰すべき事由により休業させた場合には、休業手当を支払う規定があること。


koiwa1.png いずれも許可申請や更新申請の際に、就業規則か労働契約の該当箇所の写しを添付しなければなりませんが、実務的には就業規則によるケースが多いと思います。なお、①の賃金の取扱いについては、労働基準法上も必ず就業規則(賃金規程)に記載しなければなりません。

 これらは従来の就業規則には盛り込まれていないことが多いため、通常は新たに条文を追加することになります。その場合、②の解雇の規定については従来の普通解雇の条文などと矛盾・抵触することのないよう、留意しなければなりません。

 特に、古い就業規則などで「派遣契約の終了のみを理由として解雇できる」旨の規定が残っている場合は、当然ながらそうした条文自体を削除・変更しなければ②の趣旨を満たしたことにはなりません。

 なお、③の休業手当は就業規則や労働契約の内容に関わらず、そもそも労働基準法で定められた事業主の義務ですが、派遣事業の申請にあたっては明文を置くことが求められますので、注意したいものです。

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