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2017年5月18日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」20・労働安全衛生法の安全衛生教育とは?

Q 労働者派遣事業報告書の準備をしているのですが、労働安全衛生法第59条に基づく安全衛生教育の内容が分かりません。
 「労働安全衛生法又は労働安全規則の該当番号」というのは、何を指しているのでしょうか。また、報告書には、どのように記載したらいいのでしょうか。

koiwa1.png 労働安全衛生法の安全衛生教育とは、雇入れ時の安全衛生教育のことをいいます。同法第59条では、「事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない」とされています。

 この内容は従来からすべての事業者に課せられた義務とされていますが、2015年の派遣法改正において派遣事業の許可要件にも加えられました。具体的には、以下の項目の教育訓練を実施しなければなりません。 

機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること(労働安全衛生規則第35条第1号)
安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること(労働安全衛生規則第35条第2号)
作業手順に関すること(労働安全衛生規則第35条第3号)
作業開始時の点検に関すること(労働安全衛生規則第35条第4号)
当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること(労働安全衛生規則第35条第5号)
整理、整頓及び清潔の保持に関すること(労働安全衛生規則第35条第6号)
事故時等における応急措置及び退避に関すること(労働安全衛生規則第35条第7号)
前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項(労働安全衛生規則第35条第8号)
労働者の作業内容を変更したとき(労働安全衛生法第59条第2項)
10 危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるとき(労働安全衛生法第59条第3項)

 報告書の書式には該当する号数を記載する旨の解説しかなく、このような表が掲載されていないため、初めて実務に携わる場合には具体的に何を記載したらよいのかがイメージしづらいかもしれません。

 このうち、1~4の項目は事務職の場合は省略することができるとされています。また、9は作業内容変更時、10は特定の危険・有害業務に従事させる場合のみが該当します。

 したがって、5~8の項目については、あらゆる業種・職種で実施しなければなりません。報告書の記載にあたっても、これらの項目は事務職の場合においても必須ということになります。

 雇入れ時の安全衛生教育については、当然のことですが、キャリアアップに資する教育訓練と同様に、「無償」かつ「有給」で行う義務があります。適切な実施および報告を徹底すべきでしょう。

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