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2017年5月30日

【書評&時事コラム】さっぱり盛り上がらないプレ金

 始まった当初から、「長続きするのかなあ」と気になっていた。プレミアム・フライデー(プレ金)である。毎月末の金曜日午後3時をメドに仕事を終え、買い物、飲食、旅行などを楽しむことで消費活性化を狙った官民挙げてのキャンペーンだが、月を重ねるごとに尻すぼみしているように思えてならない。

c170530.png 月末の金曜日は給料日直後という会社が多く、サラリーマンらの財布のヒモは緩むはず。企業は社員の「働き過ぎ」を是正でき、都市部から地方への旅行が増えれば、地方の活性化にも寄与する。プレ金には、そんなこんなの狙いが込められていた。2月24日から始まり=写真、初めこそは話題先行で、暗くなる前から飲み屋で一杯やるサラリーマンたちが話題になったものの、次第に話題性は薄れ、5月26日などはさっぱり盛り上がらなかった気がする。

 そもそも、プレ金でも午後3時に仕事を切り上げられるのは、都市部の一部大企業に限られる。中小企業や地方の会社にはそんな余裕もなく、月末の金曜日などは最も忙しいという人もたくさんいるはずだ。それを、特段の“仕掛け”もなく、掛け声だけで定着させようというには、ちと無理がある。消費に詳しいエコノミストの間でも、「経済効果は限定的」と首を傾げる向きが多かった。

 むしろ、「毎日が日曜日」「毎日がプレ金」のような高齢者の財布を狙う方が効果は抜群のはず。1500兆円ともいわれる個人金融資産の6割を高齢者が保有しているそうだ。「老後が心配だから」とか言って、実際に老後になっても使おうとしない高齢者の消費を伸ばすのだ。もっとも、それには漠とした「心配」の種を取り除く必要があり、政府も企業もプレ金などよりそちらの方にチエを絞った方がいいと思いますよ。(俊)
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