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2017年7月27日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」30・同一労働同一賃金の「同一」とは?

Q 弊社は飲食業を営んでいますが、多くの契約社員やパートタイマーを雇用しているので、これからの同一労働同一賃金への対応について考えていかなければならないと思っています。
 そもそも、同一労働同一賃金の「同一」とはどのような考え方なのでしょうか。お教えいただければと思います。

koiwa.pngA 同一労働同一賃金の目的は、正社員と契約社員やパートタイマー等との「不合理な待遇の格差」を解消することにあります。したがって、必ずしも同じ仕事をしている人が例外なく同じ賃金でなければならない、といっているわけではありません。

 同一労働同一賃金ガイドライン案では、対象となる契約社員やパートタイマー等が、正社員と同じ条件(職業経験・能力、業績・成果、勤続年数など)である場合には、その部分については同じ待遇をしなければならないとしています。

 たとえば、目標の達成に応じて手当を支給している会社で、同じ業務に従事していて目標を達成した場合に、契約社員やパートタイマーだからという理由でそれを支給しない場合は問題となります。

 その上で、「貢献に一定の違いがある場合は、その相違に応じて支給をしなければならない」とされているため、正社員が目標未達の場合にペナルティが課せられて、契約社員等にはそれがない場合には、そのバランスに応じて待遇に差があっても差し支えありません。

 正社員と契約社員等との間の待遇の違いについては、以下の図で理解することができます。①~③の要素の違い以上に待遇差が存在する場合には、「不合理」だと判断されることになります。 

①(現在の)職務の内容  ・業務の内容
 ・業務に伴う責任の程度
②(将来の)変更の範囲  ・職務の内容(①)の変更の範囲
 ・配置の変更の範囲
③その他の事情  ・労使慣行
 ・特別な事情

 たとえば、正社員のみが部下の管理業務も行っている場合は「業務の内容」が異なるといえ、正社員のみが具体的なノルマとそれに伴うペナルティを背負っており、契約社員にはそれらが存在しない場合は、「責任の程度」が異なるといえるでしょう。

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