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2017年8月 3日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」31・無期転換後の「別段の定め」とは?

Q 来年4月から労働契約法の「5年ルール」が実質的にスタートするということで、社内でもこれからの対応を進めなければならないと考えています。 有期雇用の従業員が無期転換したときの労働条件は、原則として従来の労働条件になるということですが、あらかじめ無期転換後の労働条件を決めておくこともできると聞きました。
 そのような対応をとることは可能なのでしょうか。また、その場合、具体的にはどのように進めたらよいでしょうか。

 労働契約法第18条では、無期転換後の労働条件について、以下のように規定されています。

(前略)この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件<契約期間を除く。>について別段の定めがある部分を除く。)とする。


koiwa.png 無期転換後の労働条件は、契約期間を除く部分は従来と同じ労働条件となりますが、「別段の定め」がある場合には、それによることになります。

 たとえば、季節的な業務の繁閑などに対応するため、週5日勤務と週3日勤務を繰り返していた場合、週3日勤務のときに無期転換すると、その後の労働条件は週3日となってしまいます。

 このような不合理を避けるため、労働契約法では「別段の定め」をすることにより、無期転換後の労働条件(期間の定め以外)を変更することが認められています。

 派遣労働者の場合は、無期転換時に従事していた派遣業務の労働条件が、そのまま無期転換後の労働条件となると、その後に派遣先や派遣業務が変更された際に、実務上の弊害が生じることも予想されるため、「別段の定め」をおくことの必要性も高いといえるでしょう。

 なお、「無期労働契約への転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後における労働条件を従前よりも低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではありません」(労働契約法逐条解説)とされていることにも、十分に留意したいものです。

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