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2017年8月 1日

【書評&時事コラム】『顔ニモマケズ』

「見た目問題」の当事者インタビュー

c170801.jpg著者・水野 敬也
文響社、定価1450円+税

 

 完治の難しい難病にはさまざまな種類があるが、本書に登場する9人には、主に顔の変形という生来の共通症状がある。いわゆる「見た目問題」の当事者たちだ。本書は、9人へのインタビューを顔写真付きの文章でまとめている。

 病名はリンパ管腫、動静脈奇形、アルビノ、ロンバーグ病などの希少難病ばかり。それぞれの人生に起きた出来事、それを乗り越えて得た幸せなどの事実関係を中心に、自分の疾病に対してどう思っているかといった率直な質問もぶつけ、各インタビュー後に「学んだこと」としてわかりやすくまとめている。

 読み進めていくうちに、本書は難病患者にとどまらず、自分の「見た目」に自信のない人、性格などのコンプレックスが気になる人、「人からどう思われているか」気になってしまう人など、置かれた立場や分野を超えて、多くの悩める人々に勇気をもたらす共通点のあることに気付く。

 本書は、「見た目問題」に取り組むNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」(外川浩子代表)の協力を得ている。「人間は外見でなく、中身が大事」という建前を、建前だけに終わらせない活動を続けているNPOだ。 (俊)

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