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2017年8月10日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」32・派遣労働者の同一労働同一賃金は?

Q 働き方改革、同一労働同一賃金がメディアでも大きな話題となっています。これから法改正に向けた動きが本格化すると聞いていますが、派遣労働者についてはどのような取り扱いになる予定なのでしょうか。
 これからは派遣労働者についても均等・均衡待遇が問題になっていくと言いますが、具体的な内容が分からずに不安になっています。現段階での方向性を教えてください。

koiwa.png 同一労働同一賃金に関する法整備については、2017年6月16日に労働政策審議会から厚生労働大臣に対して建議が行われています。この内容をもとに改正案要綱が作成され、秋の臨時国会で関連法の改正案が提出される見込みです。

 派遣労働者をめぐる労働条件については、「1)派遣先の労働者との均等・均衡による待遇改善か、2)労使協定による一定水準を満たす待遇決定による待遇改善か、の選択性とすることが適当である」とされています。具体的には、次のような内容となっています。 

1)派遣先の労働者との均等・均衡方式
・派遣先労働者との待遇差について、均等・均衡待遇規定を設ける
・派遣先に対し、派遣先労働者の賃金等の待遇に関する情報提供義務を課す
・教育訓練、福利厚生施設の利用等の規定を強化

2)労使協定による一定水準を満たす待遇決定方式
・派遣元が、過半数労組または過半数代表者と以下の要件を満たす労使協定を締結し、待遇決定を行う 
①同種業務に従事する一般の労働者の賃金水準と同等以上 
②教育訓練等による派遣労働者の職務の内容・職務の成果等の評価結果を勘案した賃金決定
③賃金以外の待遇についても、派遣元の正規雇用労働者と比較して不合理でない


 この2つの方式について、例えば労使協定の具体的な手続き等については、法案成立後に省令等で定めることになるため、現段階では詳細を知ることはできません。いずれにしても、2方式が「選択制」となる方向であることは、認識しておきたいところです。

 なお、2017年4月28日の第1回労働政策審議会同一労働同一賃金部会では、事務局側(厚生労働省)から「派遣労働者につきましては、派遣先との均等・均衡を大原則といたしますが、一方で、派遣労働者として十分に待遇の保護を図られていることを要件としまして、労使協定を締結した場合については、派遣先労働者との均等・均衡待遇ではなくて、この労使協定による待遇決定を認めるということを記載しております」と説明されています。

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