コラム記事一覧へ

2017年8月17日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」33・年金の受給資格期間の短縮とは?

Q 8月から、今までは25年加入しないともらえなかった年金が、10年加入すればもらえるようになったと聞きました。これはどのような制度なのでしょうか。また、実際に手続きをする上での留意点があれば教えてください。

koiwa.pngA 老齢基礎年金は、従来は受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間の合計)が25年以上ある場合に支給されましたが、2017年8月1日からは改正により、「10年以上」に短縮されました。この改正により、約64万人に新たに年金の受給権が発生するといわれています。

 受給資格期間が10年に満たない場合でも、保険料免除期間や合算対象期間(年金額には反映されないものの受給資格期間とみなすことができる期間)を合算した期間が10年以上となる場合には、年金が支給されることになります。

 日本年金機構は、年金加入期間が10年以上の約64万人に障害年金や遺族年金の受給者を含めた約73万5千人に対して、「受給資格期間短縮による年金請求書」を送付しています。

 年金を受けるためには、年金請求書に戸籍謄本、住民票、預貯金通帳の写しなどの必要書類を添付して、最寄りの年金事務所へ提出する必要があります。すぐに手続きを行った場合は、10月から9月分が支給され、以降は偶数月に2カ月分ずつ支給されることになります。

 受給資格期間が10年に満たない人は、今回の改正でただちに受給権が発生するわけではありませんが、年金加入記録に漏れがあったり、保険料の後納制度で未納期間が解消されたりした場合等は、受給資格期間を満たすことも考えられるため、この機会にご自身の年金について再チェックすることをおすすめします。

 なお、今回の改正ですぐに年金が受けられる人が増えるほか、将来年金を受ける若い世代の幅も広がることになりますが、年金額は当然のことながら加入期間が長いほど高くなり、加給年金や障害年金、遺族年金の加算要件は従来と変わりません。決して10年納めれば後は大丈夫という制度ではない点には、留意したいものです。

PAGETOP