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2017年9月 7日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」36・無期転換ルールの特例について

Q 来年4月から労働契約法の無期転換ルールに該当する人が出てくるため、そのための準備をしなければと思っています。無期転換ルールの例外となる特例があると聞いたのですが、それはどのような内容ですか。また、そのための具体的な手続きは、どのようなものなのでしょうか。

koiwa.png 労働契約法の無期転換ルールが2018年4月から本格化しますが、すべての労働者に例外なくこのルールが適用されると、かえって就業の実態にそぐわなかったり、労働者に不利益が生じたりする可能性もあります。

 そこで2015年4月に施行されたのが、有期雇用特別措置法です。この法律では、無期転換ルールについて、①高度専門職についての特例、②継続雇用の高齢者の特定の2つの特例が置かれています。

①高度専門職の特例(第一種)
・1年間当たりの賃金額が1,075万円以上
・博士の学位を有する者、公認会計士・医師・一級建築士等の資格者等
・プロジェクトに従事している期間は無期転換申込権が発生しない(上限10年)
②継続雇用の高齢者の特例(第二種)
・雇用管理措置の計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主
・定年に達した後、引き続き雇用されている
・その事業主に引き続き雇用されている期間は無期転換申込権が発生しない


 高度専門職の特例については該当するケースは少ないと思いますが、継続雇用の高齢者の特例は定年を迎える労働者のすべてが該当する可能性があるため、多くの事業所が関わる特例だと思います。

 特例を適用するためには、第一種計画認定・変更申請書、第二種計画認定・変更申請書を都道府県労働局に提出する必要があります。これは36協定等のように事業所単位ではなく、本社・本店で一括して作成・提出することになります。

 申請書の内容はシンプルであり、第二種の場合、継続雇用の高齢者の特性に応じた雇用管理措置(高年齢者雇用推進者の選任、職業訓練の実施等)、実施している高年齢者雇用確保措置(65歳以上への定年引き上げ、継続雇用制度の導入)について、該当する内容にチェックを入れることになります。

 すでに定年を迎えている人を雇用している場合であっても、第二種の認定を受けた場合には特例の対象となるため、「該当者がいない」と思い込まずに所定の手続きを行うことをおすすめします。

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