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2017年9月28日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」39・最低賃金の引き上げと派遣労働者への適用

Q 今年も最低賃金が大幅に引き上げられると聞きました。パートタイマーの時給改定などを含めて、どのような点に注意すべきでしょうか。また、弊社では複数の派遣労働者を受け入れているのですが、派遣労働者への最低賃金の適用はどのように考えたらよいのでしょうか。

koiwa.png このところ毎年引き上げられている最低賃金ですが、今年も大幅に改定されることになりました。

 東京都は958円、大阪府は909円となりますので、少し前まで求人広告などで見られた、「時給950円」「時給900円」は、それぞれ東京、大阪では最低賃金法違反となります。

 全国平均でおよそ25円の引き上げとなり、時給表示としては昨年度と並んで過去最大の引き上げ幅となります。時給などの改定が必要となる労働者が出てくると思いますが、定期昇給を行っている場合でも、通常の昇給枠では追い付かないケースもありますので、場合によっては評価制度とは切り離した運用が必要でしょう。

 新たに適用される最低賃金の発効日は、一律ではありません。10月1日発効というところが多いですが、最も早い大阪府は9月30日であり、最も遅い山梨県は10月14日です。賃金締切日の関係も考慮しつつ、適法な支給となるようにしなければなりません。
 また、最低賃金は事業所単位で適用されるため、必ずしも本社や本店の最低賃金がすべての労働者に適用されるわけではありません。全国で拠点展開している会社などでは、それぞれの支社や支店ごとに適用されることになるため、特に注意する必要があります。

 なお、派遣労働者については、雇用主である派遣元ではなく、就業先である派遣先の最低賃金が適用されます。例えば、群馬県の派遣元に所属する派遣労働者が、東京都の派遣先で就業する場合は、群馬の783円ではなく、東京の958円が最低賃金となります。複数の都道府県にまたがって派遣就業する場合などは、その都度労働条件のチェックを徹底していきたいものです。

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