コラム記事一覧へ

2017年10月 5日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」40・派遣労働者の36協定

Q 派遣先の繁忙期や顧客の増加などに対応するため、一部の派遣労働者に残業が発生する見込みです。派遣先の担当者からは、36協定などについて派遣元で対応してほしいと言われましたが、派遣労働者に残業を指示するのは派遣先であり、実際に残業を行うのも派遣先であることから、少し無責任なのではないかと感じています。
 具体的にはどのように対応していったらよいのでしょうか。

koiwa.png 労働者派遣法では、36協定の締結・届出については派遣元の責任とされています。したがって、派遣先の36協定に基づいて、派遣先が時間外労働を命じることはできません。ただし、労働時間、休憩、休日、時間外・休日労働についての労働基準法上の責任は、派遣先が負うものとされています。

 36協定の範囲を超えて時間外労働をさせるという違法行為が発生した場合、その責任は派遣元が直接的に負うものではなく、基本的には派遣先の違法性が問われることになります(労基法第32条、第36条1項)。

 その上で、派遣法上、派遣元は労基法に抵触するときは派遣を行ってはならないとされていますので、派遣元も労基法違反を問われることになります(第44条)。

 なお、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」では、次のように定められています。 

 「派遣先は、派遣元事業主の事業場で締結される労働基準法第36条第1項の時間外及び休日の労働に関する協定の内容等派遣労働者の労働時間の枠組みについて派遣元事業主に情報提供を求める等により、派遣元事業主との連絡調整を的確に行うこと」。


 派遣先は、派遣元が締結した36協定の内容などについて情報提供を求め、連絡調整をはかるように努めることになっています。

 派遣元の36協定の内容は派遣先では分からないため、的確な労働時間の管理を行うためには、両者が連携していくことが不可欠です。36協定を締結するにあたっては、派遣先との連携・協力が大切です。

PAGETOP