コラム記事一覧へ

2017年10月19日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」42・非常災害の場合の時間外労働等とは?

Q 労働基準法には、災害や不可抗力によって臨時の必要がある場合には、時間外労働等を認める規定があると聞きました。それはどのようなものでしょうか。
 また、具体的に地震や火災といった災害以外に適用されるケースとしては、どのような場面がありますか。

koiwa.png 労働基準法第33条には「災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等」の規定があり、災害等の避けることのできない事由で臨時の必要がある場合は、労働基準監督署の許可を受けることで、時間外労働や休日労働ができることになっています。

 時間外労働や休日労働については第36条による36協定を根拠に行うのが原則ですが、この規定はあまり知られておらず適用されるケースも極めて少ないものの、その例外ということになります。

 「災害等の避けることのできない事由」については、「災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定であるから厳格に運用すべき」としつつ、次のような許可基準が示されています。

(1)単なる業務の繁忙その他これに準ずる経営上の必要は認めないこと
(2)急病、ボイラーの破壊その他人命または公益を保護するための必要は認めること
(3)事業の運営を不可能ならしめるような突発的な機械の故障の修理は認めるが、通常予見される部分的な修理、定期的な手入は認めないこと(下略)
(昭22・9・13発基17号、昭26・10・11基発696号)


 かなり昔の通達ですから内容は古い事例となっていますが、災害の発生時のみには限定されず、「人命または公益を保護するための必要」や「事業の運営を不可能ならしめるような突発的な機械の故障の修理」などは認められるとされています。

 働き方改革の流れの中で、第33条が適用される場面についても緩和していく方向が想定されていますが、今後はサーバー攻撃によるシステムダウン対応や大規模なリコール対応なども認められる可能性があります。

 なお、派遣労働者についてはこの条文は派遣先に適用されるため、派遣先の使用者が労働基準監督署の許可を受け、派遣労働者に時間外労働や休日労働を指示することになります。

PAGETOP