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2017年11月30日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」48・監査証明と合意された手続き

Q 労働者派遣事業の許可更新をしたいと考えています。直近の決算で許可要件を満たすことが難しいため、労働局に相談に行ったところ、公認会計士の監査証明を受けることを勧められました。
 監査証明には、ほかに「合意された手続き」という種類のものもあるそうですが、この2つは何が違うのでしょうか。また、今回、当社はいずれの方法によるべきなのでしょうか。

koiwa.png 労働者派遣事業の許可更新にあたっては、財産的基礎の要件(基準資産額、負債の比率、現金・預金の額)をすべて満たさなければなりません。

 これらの要件が満たせない場合は、「基準資産額又は自己名義の現金・預金の額が増加する旨の申し立てがあったときは、公認会計士又は監査法人による監査証明を受けた中間決算又は月次決算による場合に限り、基準資産額、負債の総額及び自己名義の現金・預金の額のいずれについても当該中間決算又は月次決算により確認する」(業務取扱要領)とされています。

 すわなち、直近の決算で財産的基礎の要件を満たせない場合でも、中間決算や月次決算を行い公認会計士(監査法人)の監査証明を受けたときは、その内容で要件を判断することになります。

 監査証明とは、中間決算や月次決算等の財務諸表が、会計基準に基づいて作成されていることについて公認会計士が監査を実施・報告し、保証するものです。それに対して「合意された手続き」とは、許可審査に必要とされる手続きを関係者間で合意して実施・報告するものです。

 派遣事業許可については、新規の許可申請にあたっては必ず監査証明による必要がありますが、有効期間の許可更新の場合は「合意された手続き」でも差し支えありません。

 いずれにしても、監査証明を行う公認会計士とは利害関係があってはいけませんので、顧問契約をしている公認会計士(税理士を兼ねている場合を含む)に依頼することはできない点には注意したいものです。

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