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2018年1月 4日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」53・「働き方改革」への対応は?

Q 新たな年を迎えましたが、今年は企業にとっても「働き方改革」への対応が本格化する年になるといわれています。
 そもそも働き方改革とは、具体的にどのような内容なのでしょうか。また、その流れに対応するにあたっての留意点をお教えください。

koiwa.png 新年明けましておめでとうございます。今年も一年間このコラムを担当させていただく、社労士の小岩です。引き続き、よろしくお願いいたします。

 「働き方改革」については、さまざまなメディアなどで取り上げられ、今年は本格的にスタートする年ともいわれています。労働力人口が急速に減少していく中で、国全体の労働力や労働生産性の低下を解消する方策の一環として打ち出されたのが、「働き方改革」です。

 2017年3月に働き方改革実現会議が決定した「働き方改革実行計画」(概要)では、「日本経済再生に向けて、最大のチャレンジは働き方改革。働く人の視点に立って、労働制度の抜本改革を行い、企業文化や風土も含めて変えようとするもの」「働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最善の手段」とされ、国の最重要政策のひとつとされています。

 実行計画には、賃金引上げやテレワークのガイドライン整備、病気の治療と仕事の両立といった内容も盛り込まれていますが、中心とされているのは以下の3つのテーマです。

(1)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
(2)罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正
(3)高齢者の就業促進


 (1)はパートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法等の改正、(2)は労働基準法等の改正、(3)は助成金やハローワークにおける制度運用等が想定されています。(1)(2)については、いずれも今年の通常国会で改正案が提出、審議される可能性が高いといわれています。

 (1)はあくまでガイドライン案をベースとした正規雇用と非正規雇用との不合理な待遇差の解消が目指されるものであるのに対して、(2)は文字通り罰則付きで時間外労働の限度を具体的に定める法改正が前提とされています。法改正の行方は分かりませんが、まずもって(2)で想定される改正内容への対応を万全にしていくことが求められるでしょう。

 具体的には、月45時間、年360時間が原則とされる時間外労働の限度について、特例として臨時的な特別な事情がある場合に労使協定を結ぶ場合であっても、上回ることができない上限が年720時間とされ、罰則による強制力をもって運用されることになります。

 一定程度以上の時間外労働が恒久化している事業所や部署においては、今後の改正の方向性を見通した時間外労働の削減や生産性の向上等に取り組むことが求められます。今年はそれに向けた具体的な改善や変革を本格化するスタートの年と位置付けたいものです。


 

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