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2018年2月 1日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」57・雇用保険の移転費の支給対象者拡大

Q 職業紹介事業を営んでいますが、雇用保険の制度である移転費の取扱いについて改正があり、職業紹介事業者の紹介による場合も含まれるようになったと聞きました。
 そもそも、移転費とはどのような内容のものですか。また、私たちのような職業紹介事業者が知っておいた方がよい点はありますか。

 雇用保険の制度である「移転費」とは、雇用保険の被保険者が失業したときに受ける失業等給付のひとつであり、新たに就職するのにあたって住所や居所を変更する場合に、本人や家族が転居のために必要な交通費等が支給されるものです。移転費の対象となる移転とは、以下のような場合です。 

①通常の交通機関を利用し、通勤するための往復時間が4時間以上の場合
②交通機関の始発や終発の便が悪く、通勤に著しい障害がある場合
③移転先の事業所などの事業主の要求によって移転を余儀なくされた場合


koiwa1.png 移転費は、従来はハローワークの所長が必要と認めた場合に限られていましたが、雇用保険法の改正により2018年1月1日以降は職業紹介事業者による紹介の場合も支給対象となりました。2018年1月1日以降に職業紹介事業者の紹介によって就職するために住所や居所を変更した人は、ハローワークへの申請書に職業紹介事業者から交付された「職業紹介証明書(移転費)」を添付することで、移転費を受けることができます。職業紹介事業者は、就職が決まった人から求められたときは、証明書の記載・証明に速やかに協力しなければなりません。

 また、今回の改正では、従来は移転費の対象とはならなかった給付制限期間中の就職や公共職業訓練等についても、新たに支給対象となりました。2018年1月1日以降は、自己都合退職等によって3か月間の給付制限が課されている人についても、他の要件を満たすことで移転費を受けることができます。該当するケースも出てくることがありますので、あわせて確認しておきたいものです。

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