コラム記事一覧へ

2018年5月10日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」71・派遣先責任者講習ガイドラインとは?

Q 弊社では派遣労働者を受け入れているため、担当者に派遣先責任者講習に参加してもらおうと考えています。先日、派遣先責任者講習についてのガイドラインが公開されたと聞きましたが、それはどのようなものでしょうか。

koiwa.png 派遣先責任者とは 派遣先で派遣労働者に関する就業の管理を一元的に行い、派遣先における派遣労働者の適正な就業を確保するために、派遣法第41条に基づき選任される者をいいます。派遣先で受け入れている派遣労働者が百人以下のときは一人以上を選任しなければならず、その者は専属でなければなりません。

 派遣先責任者講習は、派遣先責任者としての能力向上を図り、適切な業務が行えるようになることを目的とし、関係法令やその職務に関する必要な知識等を付与するためのものです。厚生労働省では、2015年から2017年までモデル事業を実施していましたが、今年度から正式にスタートすることになりました。

 その実施にあたって3月30日に制定されたのが、「派遣先責任者講習の実施に関するガイドライン」です。このガイドラインでは、講習の目的のほか、講習内容、実施方法、厚生労働省への情報提供等について記載され、別表として講習で使用するテキスト等の項目例についてもまとめられています。ちなみに、講義課目および講義時間については、以下のような設定がされています。

(1)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律・・・1時間
・派遣先が講ずべき措置に関する指針を中心に、派遣先で理解すべき法令の知識の付与

(2)労働基準法等の適用に関する特例等・・・2時間(1時間以上)
・労働基準法、労働安全衛生法の基礎、実務と応用に関する知識を付与
・派遣先が負う使用者責任について、「特例が設けられている意義」「派遣先の責任分担の内容」等

(3)派遣先責任者の職務遂行上の留意点・・・2時間(1時間以上)
・苦情処理を円滑に行うために必要とする知識の付与
・派遣労働者を受け入れて発生したトラブル等と対処方法等の事例紹介


  派遣先責任者の職務と責任は多岐に渡っており、派遣労働者をめぐる苦情処理にあたっても適切かつ迅速な対応をしていく必要があります。そのための知識等を取得し、責任者としての能力向上を図るため、今後実施される講習の機会を有効に活用したいものです。

PAGETOP