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2018年5月17日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」72・派遣業と業務請負業の兼業の場合の年度更新

Q 弊社は労働者派遣事業を営んでおり、約50人の派遣労働者(主に電機機械器具製造)が在籍していますが、別事業として20人ほどで業務請負業(自動車部品加工)も営んでいます。労働保険の申告にあたっては、具体的にどのような手続きを行ったらよいですか。

koiwa.png 今年も労働保険の年度更新の時期が近づいてきましたね。労働者派遣事業と業務請負業を兼業している場合は、それぞれ別個の事業として、別々に労働保険の申告を行なう必要があります。

 請負業(構内下請)については、親事業の保険率が適用されます。自動車部品加工業は、製造業のうち輸送用機械器具製造業に該当しますから、1000分の4の料率が適用されます。
 仮に貴社の請負作業員が従事している業務が、直接は自動車部品の製造には関わらない業務であったとしても、構内下請として親会社の構内で作業をしているかぎりは、親会社の事業の保険料率が適用されることになります。

 派遣事業については、派遣先の業務のうち、最も代表的な業務の種類が「主たる作業実態」と見なされます。その「主たる作業実態」に基づく事業の種類の保険料率が、派遣業の保険料率として派遣元全体に適用されます。 「主たる作業実態」については、派遣先ごとの派遣社員の人数と賃金総額によって総合的に判断することになります。

 貴社の場合は、電機機械器具製造に従事している派遣労働者が全体の派遣労働者の半数を超えていれば、この業種が「主たる作業実態」ということになり、電気機械器具製造業の料率である1000分の2.5が、全派遣労働者に適用されます。正社員として営業や派遣労働者の管理に従事している人についても、もっぱら派遣業の業務に従事している人には、「主たる作業実態」と同じ保険料率が適用されます。

 派遣業の「主たる作業実態」については、派遣労働者の人数などの実態に基づいて判断されるため、ケースによっては毎年のように変更され、適用される保険料率が変わるということもあります。

 また、派遣業の申告は、派遣先での複数の作業実態を主たる作業実態に一括する形で行ないますが、これは継続事業の一括の手続きではありませんので、それぞれの派遣先ごとに成立届を提出する手続きが必要なわけではありません。この点にも注意しましょう。

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