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2018年6月14日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」76・派遣労働者をめぐる「2018年問題」②

Q 派遣労働者をめぐる「2018年問題」について、派遣法の雇用安定措置への対応も大きなテーマだと思います。この点の実務対応としては、どんな点に気をつけるべきでしょうか。

koiwa.png 派遣労働者をめぐる「2018年問題」としては、前回のコラムで紹介した労働契約法の無期転換ルールへの対応と並んで、派遣法の雇用安定措置への対応があります。こちらは、派遣法の期間制限のルールによって抵触日を迎える派遣労働者に対する対応が求められるテーマとなります。

 2015年の派遣法改正で、有期雇用派遣労働者については、2つの期間制限のルールが置かれました。派遣先事業所単位の期間制限と、派遣労働者個人単位の期間制限です。

 派遣先事業所単位の期間制限は、派遣先の事業所における派遣労働者の受入れ期間は、原則3年を上限とするルールです。これは派遣先の過半数労働組合(過半数代表者)の意見聴取によって、延長することができます。 それに対して、派遣労働者個人単位の期間制限は、派遣労働者が「課」を単位とする同一組織単位において就業できる期間は、3年を上限とするルールです。こちらは、延長という概念はありません。

 抵触日を迎える見込みの派遣労働者に対しては、①派遣先への直接雇用の依頼、②新たな派遣先の提供、③派遣元での無期雇用、④その他安定した雇用が確実に図られると認められる措置のいずれかを実施しなければなりません。具体的には、②新たな派遣先の提供を講じる派遣先も多いことが予想されますが、この場合は「以前の派遣契約により派遣されていた際の待遇等に照らして合理的なものに限る」(業務取扱要領)という点に注意が必要です。

 新たな派遣先を提供するに際しては、派遣労働者とのミスマッチが起こることのないように、あらかじめ本人の希望等を把握しておくことが大切でしょう。 本人の希望を把握するプロセスは、広い意味ではキャリアコンサルティングの一環だと位置づけることができます。適正な雇用安定措置の履行に向けた流れという意味でも、キャリアコンサルティングの有効活用を目指していきたいものです。

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