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2018年7月26日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」82・「平成30年7月豪雨」被害に伴う労基法や労契法のQ&A

Q 7月の西日本豪雨に伴って、労働基準法の一般的な考え方などについて国からQ&Aが出されたと聞きました。それはどのような内容のものですか。

koiwa.png 大阪府北部地震など地震の際の賃金等の取り扱いについては、前々回のコラムで触れました。その後に発生した西日本豪雨も各地で深刻な被害が発生しており、雇用関係への影響も懸念されるところです。そこで、7月11日付で厚生労働省から、「平成30年7月豪雨による被害に伴う労働基準法や労働契約法に関するQ&A」が出されました。

 内容としては、(1)豪雨の影響に伴う休業に関する取扱いについて、(2)派遣労働者の雇用管理について、(3)豪雨の影響に伴う解雇について、(4)労基法第24条(賃金の支払)について、(5)労基法第25条(非常時払)について、(6)労基法第32条の4(1年単位の変形労働時間制)について、(7)労基法第33条(災害時の時間外労働等)について、(8)労基法第36条(時間外・休日労働協定)について、(9)労基法第39条(年次有給休暇)について、(10)その他の項目に渡っています。

 基本的な内容としては、2016年の「平成28年熊本地震に伴う労働基準法等に関するQ&A」の項目を踏襲していますが、今回のQ&Aで新たに加えられたものもあります。 

Q3-2 今回の豪雨による水害等により、事業場の施設・設備が直接的な被害を受けたために、事業の全部又は大部分の継続が困難になったことにより労働者を解雇しようとする場合、労働基準法第19条及び第20条に規定する「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」による解雇といえるでしょうか。

Q3-3 今回の豪雨で、事業場の施設や設備は直接的な被害を受けていませんが、取引先や鉄道・道路が被害を受け、原材料の仕入、製品の納入等が不可能になったために、事業の全部又は大部分の継続が困難になったことにより労働者を解雇しようとする場合、労働基準法第19条及び第20条の「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」による解雇といえるでしょうか。

Q7-1 今回の豪雨により、被害を受けた電気、ガス、水道等のライフラインの早期復旧のため、被災地域外の他の事業者が協力要請に基づき作業を行う場合に、労働者に時間外・休日労働を行わせる必要があるときは、労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることができない事由によって、臨時の必要がある場合」に該当するでしょうか。


 なお、派遣先が豪雨の影響で休業した場合の派遣労働者に対する休業手当の取扱い(Q2-1)や、当初の予定どおり1年単位の変形労働時間制を実施できなくなった場合の労使協定の合意解約(Q6-1)など、実務的にも興味深い内容がありますので、参考にしたいものです。

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