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2018年8月16日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」85・パートタイム・有期雇用労働法の「短時間労働者」

Q 働き方改革関連法が成立したことで、パートタイム労働法も大きく改正されたと聞きました。パートタイマー(短時間労働者)の定義も変わったのでしょうか。

koiwa.png 働き方改革関連法が成立したことにより、パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善に関する法律)は、「パートタイム・有期労働法」(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)に名称が変わりました。

 従来、パートタイマーについてはパートタイム労働法、有期雇用労働者については労働契約法で規定されていました。ところが、前者は行政取締法規の性格を持つのに対して、後者は民法の特別法という位置づけにあったため、パートタイマーと有期雇用労働者とを統一的な法規制におく趣旨で、パートタイム労働法に有期雇用労働者を加える形での法改正が行われました。

 パートタイマーの定義について、パートタイム・有期雇用労働法では、次のように規定されています。 

 この法律において「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者(当該事業主に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業主に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。(パートタイム・有期雇用労働法第2条第1項)


 改正後も、1週間の所定労働時間が通常の労働者に比べ短い労働者という定義自体は変わりません。ただし、比較の対象について従来は「同一の事業に雇用される通常の労働者」と事業所単位とされていたものが、改正後は「同一の事業に雇用される通常の労働者」と事業主単位に変更されています。

 このため、従来は所属している事業所(本社、支店、営業所など)に比較の対象となる通常の労働者(正社員)が存在しない場合であっても、改正後は同一企業の他の事業所に存在する場合には比較対象となることになります。全国に拠点を展開する大企業などの場合には、パートタイマーの比較対象となる労働者の範囲がかなり広がるケースも少なくないと思いますので、留意したいものです。

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