コラム記事一覧へ

2018年9月13日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」89・働き方改革による新しい労働時間の上限規制②

Q 働き方改革によって改正される労働基準法の労働時間規制について、月100時間、月80時間の上限規制の意味を教えてください。

koiwa.png 2019年4月(中小企業は2020年4月)から施行される改正労働基準法では、「特別条項」によって月45時間を超えることができる月についても、厳しいルールが置かれます。まず、月100時間未満という規制には、例外はありません。この中には休日出勤も含まれます。

 あわせて「複数月平均80時間以内」という規制も守らなければなりません。こちらは、今回の改正の中で最も複雑な内容のひとつです。具体的には、2~6カ月の平均で80時間以内でなければならないということです。例えば6月の残業時間の上限を確認しようとすると、5~6月(2カ月平均)、4~6月(3カ月平均)、3~6月(4カ月平均)、2~6月(5カ月平均)、1~6月(6カ月平均)のそれぞれを計算しなければなりません。これらのうちで1つでも「80時間」を超えると、その段階で6月の残業は違法となる仕組みです。とても複雑なルールですので、下の図で確認してみて下さい。

 

c180913.png

 このルールを実際に運用しようとすると、とんでもなく煩雑な実務が発生します。2~6カ月の平均を出していくわけですが、それぞれ計算するのも大変ですが、事前に残業時間の見込みを計算しておかないと、残業した結果の平均を計算したら「たまたま80時間を超えてしまった」では済まされないのです。

 なお、「複数月平均80時間以内」のルールも休日出勤を含みます。ある程度の休日出勤が発生している人の場合では、該当するケースも出てくると思いますので、注意したいものです。

PAGETOP