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2018年12月 6日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」101・年次有給休暇の計画的付与

Q 来年4月からの法改正で有給休暇の取得が義務付けられるのにあたって、計画的付与が1つの方法と考えられると聞きました。計画的付与とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

koiwa.png 労基法改正によって2019年4月から有給休暇の取得義務化が実施され、10日以上の有給休暇が発生した労働者に対して、年5日の有給休暇を付与することが義務付けられます。

 有給休暇は本来労働者が自由に取るべきものですが、この原則のみだけでは、頻繁に有給休暇を取る人とほとんど取らない人とに分かれてしまい、結果的に有給休暇を有効に活用できるのは一部の人というケースも出てきます。

 そこで会社と労働者代表(労働組合)とが労使協定を結ぶことによって、有給休暇を計画的に割り振ることが認められています(労基法第39条第6項)。このルールのことを有給休暇の「計画的付与」といいます。計画的付与の対象とできるのは、有給休暇のうち「5日を超える部分」です。計画的付与の労使協定には、以下の事項について記載しなければなりません。

(1)計画的付与の対象者(あるいは対象から除く者)
(2)対象となる有給休暇の日数(有給休暇のうち、5日を超える日数)
(3)計画的付与の具体的方法(一斉・グループ別の場合は具体的な付与日、個人別の場合は計画表作成の時期と手続き)
(4)対象となる有給休暇を持たない者の扱い(特別休暇の付与、もしくは休業手当の支給)


 なお、入社後まもなく有給休暇が発生していなかったり、有給休暇の残日数が足りなかったりするような場合であっても、そのことを理由に計画的付与の対象外にすることはできません。このような場合は特別休暇を付与するか、平均賃金の6割以上の休業手当を支給する必要があります。いずれの対応もとらないと労使協定の効力自体が問われ、労使トラブルなどに発展することもあるため注意したいものです。

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