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2019年4月 2日

【ブック&コラム】『知らない人を採ってはいけない』

人材採用に困らない秘策を公開

c190402.jpg著者:白潟 敏朗
KADOKAWA、定価1400円+税

 

 人手不足の切り札として、著者は「リファラル採用」(=社内外の信頼できる人脈を介した紹介・推薦による採用活動)の有効性を説く。自社にふさわし人材を「想い」のレベルから見極める仕組みを求め、旧来の縁故採用とは次元の違う人材獲得マネジメントを提案している。

 面白いのは、まず「社長と会社が好きなメンバー」でプロジェクトを作りステップを踏んで展開していく点だ。これには、「想い」からズレた人の採用を防止する意図があるという。また、会社の魅力と実態を正直に記した「アピールブック」を作成し、社長の率先垂範で共感者を本気にしていく迫力ある運営を強く勧めている。何事も隠さずオープンにする姿勢を徹底し、入社後の“こんなハズじゃなかった”を防ぐとともに、中期経営計画で3年後に改善される姿を示し「一緒にその実現を目指そう」と候補者を誘う周到な手法も公開している。

 パイロットプロジェクトから進め、好循環を築いていけば永遠に採用に困らない会社ができると語り、本書後半には5社の成功事例を紹介している。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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