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2018年8月 6日

労働政策研究・研修機構の実態調査

病気退社した人の8割は再就職

 サラリーマンが病気になって治療が必要になった人のうち、同じ勤め先で仕事を続けている人は約8割いたが、残る2割の人は退職し、そのうちの8割が再就職していることが、労働政策研究・研修機構の「病気の治療と仕事の両立に関する実態調査」で明らかになった。政府は「働き方改革」の一環として、治療と仕事の両立の支援強化を打ち出しているが、病気と治療の内容はさまざまなだけに、企業側の対応が大きなカギになる。(報道局)

 調査は昨年11月前半、企業とサラリーマンを対象にネットで実施。サラリーマン約2万人の中から、過去5年間に治療をしたがん、脳血管疾患、心疾患、肝炎、糖尿病、指定難病の患者7694人が対象。うち、男性が8割、女性が2割の比率で、雇用形態では正社員が8割を占めた。

 疾患別では糖尿病が最も多い34.3%を占め、がんが19.8%、難病が17.6%などで、治療のための通院頻度は「月1回程度」が最も多かった。治療・療養のため会社を連続2週間以上休職した人は30.9%あったが、取得していない人が過半数の51.9%に上り、「そもそも休職制度がない・適用されない」も17.2%あった。

 サラリーマンの場合、病気の種類や症状の程度によって、会社に残るか退社するか重大な決断を迫られるケースも多いが、調査では78.3%が「現在も同じ会社に勤務している」と回答しており、症状が比較的軽い人の多いことが推測できる。残る2割は「依願退職した」(14.7%)、「会社側から退職勧奨された」(3.6%)、「解雇された」(1.7%)など合計20.7%となった。

sc180806.png 退職理由(複数回答)では「仕事を続ける自信がなくなった」が23.3%で最も多く、「会社や同僚らに迷惑をかける」の15.7%、「治療・療養に専念するため」の14.6%などが続いている。一方で、「疾患とは関係なく転職した」という人も依願退職者を中心に29.1%あり、病気を抱えながら仕事のできる転職先を探す人の多いこともうかがわせる。

 しかし、病気が求職活動に不利になる現実は根強く、求職活動にあたって持病を「伝えた」人は48.0%で、「まったく伝えなかった」人の方が52.0%とやや上回った。「伝えなかった」のは女性の派遣社員に多いようだ。

 求職活動の結果、就職・再就職が「できた」人が79.8%の多数に上り、「できなかった」の9.9%、「求職活動中」の10.4%を大きく上回っている=グラフ。就職・再就職できた人のうち...

 

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