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2014年7月17日

技能協・物流部会が初セミナー  安西弁護士、中村東京労働局部長、「法令順守徹底を」

n140717.JPG 日本生産技能労務協会・物流部会(道上良司部会長)は17日、東京・五反田で第1回「物流人材サービス特別セミナー」を開き、物流関係者約250人が集まった=写真左。安西愈弁護士が「物流業界におけるコンプライアンス等の諸問題への対応」、東京労働局の中村正子需給調整事業部長が「需給調整行政の現状と課題」と題して講演し、物流業界の資質向上を求めた。

n140717_2.JPG 冒頭、道上部会長=写真右=は「今回が初のイベント。これをきっかけに、社会に胸を張れる業界を目指して努力したい」と“決意表明”した。

 安西氏=写真下=は、労働者派遣と請負の法的枠組みの基本的な違いなどについて、判例などを交えて詳細に解説。大型物流センターで起きた二重派遣の違法例などを引用しながら、派遣元、派遣先、派遣労働者の3者間の法令順守事項をわかりやすく説明した。

n140717_3.JPG 中村氏=写真下=は、東京労働局管内の2013年度の個別是正指導1183件の中から、派遣元に対して実施した是正指導や行政処分の事例を挙げ、偽装請負、二重派遣、日雇い派遣の原則禁止違反などについて具体的な違反内容を解説した。さらに、物流業界で生じやすい問題として、日雇い派遣の原則禁止違反、偽装請負、多重派遣、港湾倉庫など禁止業務への派遣を挙げ、法令順守の徹底を呼びかけた。

n140717_4.JPG 同部会は若年の非正規労働者が多く、多くの問題を抱えている物流業界のコンプライアンス向上を図るため、技能協の全面協力を得て業界8社でスタート。この日のセミナーが初の活動となった。技能協の清水竜一会長は席上のあいさつで「物流と製造は事業面で密接な関わりがあり、雇用面でも共通課題を抱えている。技能協が蓄積してきたノウハウを物流分野でも展開してもらい、課題解決を図ってもらう」と述べた。
 

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