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2016年6月 1日

藤村、二宮両氏が労組の役割を語る  サポートセンターの第3回勉強会

n160601_1.jpg NPO法人の人材派遣・請負会社のためのサポートセンター(高見修理事長)は1日、東京・市ヶ谷で2016年第3回派遣・請負問題勉強会(アドバンスニュース協賛)を開いた=写真上。今年の統一テーマは「改正派遣法施行後の新たな課題~労使関係を考える」で、この日は同シリーズの最終回。

 シリーズ全体を通してナビゲーターを務める労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎主席統括研究員が「企業経営にとっての労働組合」と題して導入プレゼンテーションした後、法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の藤村博之教授=写真中=が「企業の競争力と労働組合」、連合中央アドバイザー(元UIゼンセン同盟副書記長)の二宮誠氏=写真下=が「労働組合の組織化と労使関係」と題して講演した。

 濱口氏は、組織率が年々下がっている日本の労組事情の中で、非正規労働者を含むUAゼンセンが組合員を増やしている事実に触れ、労組の意義や今後のあり方などについて示唆した。

n160601_2.jpg 藤村氏は、多くの労組からヒアリングした経験を踏まえ、従来の労組は(1)労働条件の維持向上、(2)雇用保障、(3)組合員へのサービス提供――の3本柱が主要な役割だったが、これからは(1)コーポレート・ガバナンス(企業統治)の一翼を担う、(2)組合員の能力育成に基づいた攻めの雇用保障、(3)USR(労組の社会的責任)の実践――が新たな3本柱になると解説。また、企業人事の課題についても切り込んだ。

n160601_3.jpg 二宮氏は、戦後を中心に労働運動の組織変遷をたどりながら、自身が果たしてきた労組形成の豊富なオルグ活動から、「経営側の理解のもとで生まれた労組は、労使関係で最も重要な“信頼関係”がまずありきで始まる」、「生産性向上について、車の車輪の一方としての役割を果たすことができる」などのポイントを強調した。

 4月14日から3回にわたった「集団的労使関係」のシリーズはこの日で終わり、次回は10月3日にこれまでの勉強会の“総集編”を開く。

 

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