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2017年5月12日

ILO事務局長が「仕事の未来」で講演  JILPT労政フォーラム

 労働政策研究・研修機構(JILPT)の労働政策フォーラム「(The Future of Work)仕事の未来」が12日、都内で開かれた。今回は国際労働機関(ILO)との共催で、ガイ・ライダーILO事務局長が基調講演、それを受けて濱口桂一郎JILPT研究所長が「日本的柔軟性からデジタル柔軟性へ?」と題して基調報告した。

 ライダー事務局長は、労働市場が世界規模で高速変化している現状を踏まえ、ILOとして「社会正義」をどう継承していくかという課題を提起。ポイントとして、AI(人工知能)などの技術イノベーション、人口動態変化、経済成長と環境保護の両立、グローバル経済下での労働市場の最適化、の4点を挙げた。

 濱口氏は、日本の「無限定正社員」が持っていた柔軟性が崩れ、代わって「第4次産業革命」と呼ばれるインターネットなどのデジタル技術によって、テレワークの普及など、正社員だけでない柔軟な働き方が可能になった点を指摘。非雇用型テレワークを保護するための、労働法制や社会保障のあり方を見直す時期に来ていることを強調した。

n170512_1.jpg パネルディスカッションでは大内伸哉・神戸大大学院教授をコーディネーターに、パネリストとして濱口氏、▽得丸洋・経団連国際労働部会長▽安永貴夫・連合副事務局長▽神田玲子・NIRA総合研究開発機構理事の4人が「仕事の未来」について議論を交わした=写真

 ライダー事務局長が提起した「変化」に対して何が必要になるかについて、得丸氏は個人的意見としながら「企業戦略と個人の希望・意思に合わせた変化への対応」を挙げ、安永氏は「格差が拡大する恐れがあるため、“公正”がキーワードになる」、神田氏は「日本は創造型社会になっていないため、ベンチャー企業の育成を図ること」と強調した。

 ただ、「第4次産業革命」の輪郭がまだ鮮明になっていないうえ、日本は旧来の労働法制・慣行からの脱却に追われている最中でもあることから、近未来の労働ビジョンに対して議論が全体に具体性を欠く印象が強かった。
 

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