政府が今国会での成立を目指して審議中の「働き方改革関連法案」について、与党の自民党と野党の日本維新の会は11日、修正協議を開始することで一致した。政府案は(1)「残業時間の罰則付き上限規制など長時間労働の是正(労働基準法や労働安全衛生法などの改正)」、(2)「同一労働同一賃金を目指す雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(パートタイム労働法や労働契約法、労働者派遣法の改正)」、(3)「高度プロフェッショナル制度の創設(労働基準法などの改正)」――の大きく3つに分けられ、8本の改正案が束ねられている。具体的な修正点はこれからの協議となるが、8日に対案を提出した立憲民主党と国民民主党などの強い反発は必至で、帰着点は不透明だ。
維新は、残業時間の上限規制などを踏まえ、「人手不足の中小・零細企業には、働き方改革によって自分の会社(の経営)は大丈夫なのかと不安がある。国民に理解を得る法案にしたい」などと指摘。人手不足が深刻な中小・零細企業への配慮を念頭に置く。また、「高度プロ」について、運用面で新たな歯止め策なども検討していくと見られる。
政府案を巡っては、4月6日の閣議決定前の自民党の厚生労働部会や総務会で、「中小企業への影響についてより詳細に把握すべき」、「周知期間を十分に設けなければ、待遇差を巡る企業相手の訴訟が増えるだけ」、「同一労働同一賃金という言葉だけが先行して誤解を招く」――などといった意見も挙がっていた。
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