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2018年11月15日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」98・改正派遣法の「労使協定方式」とは?

Q 改正派遣法では、派遣先の労働者との均等・均衡待遇方式と労使協定による待遇方式があると聞きました。「労使協定方式」とは、具体的にはどのような内容ですか。

koiwa.png 2020年4月から施行される改正派遣法では、不合理な待遇等の禁止が強化されることになりますが、一定の要件を満たす労使協定を締結した場合は、原則として派遣先との均等・均衡待遇方式は適用されないことになります。この場合の労使協定の内容は、以下のとおりです。


労使協定方式における協定事項

①対象者の範囲 協定によって待遇を決定する派遣労働者の範囲
②賃金の決定方法 次の(イ)(ロ)の両方を満たすこと(*通勤手当その他省令で定めるものは(イ))。(イ)派遣労働者と同様の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額として省令で定める額以上(ロ)派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力または経験等の向上があった場合に賃金が改善されるものであること
③公正な評価 賃金の決定にあたって、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力または経験等を公正に評価すること
④賃金以外の待遇 賃金以外の待遇について、派遣元で雇用される通常の労働者との間に不合理な待遇差がないこと
⑤教育訓練 段階的・体系的な教育訓練の実施
⑥その他 その他省令で定める事項

(派遣法第30条の4第1項より整理)

 労使協定方式を適用すると、賃金については一般の労働者の平均的な賃金の額として厚生労働省令で定める額と、賃金以外の待遇については派遣元で雇用される通常の労働者との比較において、不合理な待遇差の解消をはかることになります。

 さらに、派遣労働者の賃金は職務内容や成果、能力などの向上があった場合に改善され、派遣労働者を公正に評価することで賃金を決定することが求められることになります。来春にも公表される見通しの「業務取扱要領」を注視する必要があります。協定事項はかなり多岐に渡ることになりますので、実務対応に向けた事前の準備を心掛けたいものです。

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