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2018年11月22日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」99・派遣法における労働基準法の適用に関する特例

Q 改正派遣法では、労働基準法の適用に関する特例についても一部改正されると聞きました。具体的にはどのような点が変わるのですか。

koiwa.png 労働者派遣法では、労働基準法等の適用に関する特例が置かれています。労働基準法は労働者を雇用する使用者(派遣元)に適用されるのが原則ですが、実際に就業場所で指揮命令を行っているのは派遣先であることから、現実的に派遣元に事業主としての責任を問うことが困難な事項については、派遣先を使用者とみなすことになっています。

 具体的には、労働基準法の労働時間、休憩、休日等や、労働安全衛生法の安全管理者、安全委員会、危険有害業務の安全衛生教育、有害業務に係る健康診断等については、派遣先が事業主としての責任を負うこととされています。

 今回の派遣法改正で、労働基準法の適用の特例を定めた第44条第2項も改正されましたが、主な変更点としては労働基準法第36条第6項が追加されていることが挙げられます。具体的には、以下の内容です。 

⑥ 使用者は、第一項の協定で定めるところによって労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であっても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。
(中略)
二 一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間 百時間未満であること。
三 対象期間の初日から一箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の一箇月、二箇月、三箇月、四箇月及び五箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の一箇月当たりの平均時間 八十時間を超えないこと。


  働き方改革に伴う労働基準法改正で新設された条項であり、1カ月について原則100時間未満、直前6カ月間のそれぞれの期間の平均が80時間以内という、時間外、休日労働の新たな上限について規定されています。

 なお、この規定に違反した場合は、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処するとされています(労働基準法第109条)。派遣先が使用者とみなされる規定の改正点となりますので、十分に意識して日々の労務管理に取り組んでいきたいものです。

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