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2018年12月13日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」102・年次有給休暇の斉一的付与

Q 年次有給休暇について、入社日が異なる労働者の基準日を統一するためには、斉一的付与のルールを使うとよいと聞きました。具体的にはどのようなものなのでしょうか。

koiwa.png 年次有給休暇は、入社日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に発生します。

 したがって、中途採用のように入社月が異なる場合は、有給休暇が発生する基準日が人によってバラバラとなります。基準日は労働者が退職するまで変わらないため、個人ごとに管理しないと日数等を正確に把握できないことになります。

 このような問題を解決するためには、入社日が異なる労働者の基準日を統一するルールを定める必要があります。これを斉一的付与といいますが、具体的には国が出している通達で認められています(H6・1・4 基発第1号)。

 通達では実務上の留意点がまとめられていますが、とりわけ、「次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること」という点に注意する必要があります。

 例えば、4月1日入社時に5日、10月1日(法定基準日)に5日、翌年4月1日に11日を付与した場合、次年度の基準日は本来翌年10月1日ですが、初年度に10日のうち5日分について6か月繰り上げているため、次年度も6か月繰り上げて4月1日に11日付与する必要があります。

 斉一的付与の具体的な実務取扱いについては、就業規則で具体的に規定を定める必要があります。労基法では就業規則に必ず記載しなければならない事項が定められていますが、有給休暇はその中の1つの「休暇」に関する事項に該当します。

 斉一的付与には、①基準日が統一できる、②有給休暇の管理が容易になる、③入社時(独自の基準日)から付与される、といったメリットがあります。とりわけ③については労働者が受ける利益も大きいことから、採用や定着にもプラスに働くケースも多いようです。企業の実情に合わせて前向きに導入・運用したいものです。

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