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2017年6月13日

【書評&時事コラム】「人手不足」と言うけれど

 「人手不足が深刻」と新聞テレビが騒ぎ、学者や研究機関が処方箋(せん)を示し、政府も「働き方改革」を推進する政策を打ち出している。でも、「人手不足」って言うけど、本当に不足しているのか。いまいち、ピンと来ない。

 周りを見渡せば、毎日、イヌの散歩とゴルフの練習をしているお年寄り、朝から図書館で韓流ドラマにはまっているおっさん、テニスコートで黄色い声を上げているおばさんたち。ヒマそうな人がたくさん目に付く。先日は、駅前のパチンコ屋の開店待ちで、朝っぱらから若者や中年男が長蛇の列を作っていた。聞けば、玉がたくさん出るサービスデーなんだと。

c170613.jpg それでも「人手不足」なんだろうか。どうやら、ファストフード店、コンビニ、宅配ドライバーといった、マンパワーで仕事をこなす低賃金、長時間労働のパートタイマーらが絶対的に足りないようだ。それなら、わかる。景気の悪かった時期ならともかく、そこそこ良いこの時期に、誰がそんな仕事をしたいと思うだろうか。フンと鼻にも引っ掛けないだろう。それとも、かつての「就職氷河期」のような買い手市場の時が来るまで、会社は頑張って待ちますか?

 会社側も、そろそろ発想を変える時期に来ているなあ。機械で代われる仕事は機械に任せる。お客さんには申し訳ないが、サービスメニューを減らす。深夜営業はやめる……。幾らでも考えられると思うが、なぜ踏み切れないのだろうか。できない会社は、いつまでも「人手不足」にあえぎ続けることでしょう。(俊)




 

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