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2017年8月22日

【書評&時事コラム】キャッシュレス社会の"落とし穴"

 先日、いつも行くスーパーとは別なスーパーで買い物をしたら、レジの様子が変わり、支払いは自分ですることになった。レジを通った先に精算機があり、そこで画面の表示に従って料金を払い、お釣りがある場合は領収書と一緒に出て来る。「ご利用、有り難うございました」という女性の声がどことなく不気味に感じたが、便利には便利だ。

c170822.jpg 省力化できる部分はできるだけ機械に任せ、人間は臨機応変な顧客対応に専念する。多くのスーパーが人手不足対策に追われ、レジの省力化もその一環だと思えば、客の側も協力しようという気持ちにはなる。もっとも、「料金不足の表示が出ているが、絶対に払った」と頑張るお客などもいて、よろず対応の「お客様係」がまだ必要のようだから、機械化の道もなかなか多難だ。

 そう言えば、スーパーやコンビニの支払いや電車の改札など、財布から現金を取り出して払う機会がいつの間にか大きく減った気がする。電子マネーの普及が、日常生活にすっかり溶け込んできた、ということなのだろう。にもかかわらず、小銭入れの硬貨がたまり過ぎて、重くてしょうがない。現金を使わなくなったのに、なぜだろうか。

 現金払いの自販機やレストランなどのお釣りがたまったためとしか考えられないが、高齢者になるほど小銭勘定が面倒になってお札を出しがちだという。それが認知症につながる可能性もあるとの指摘もあり、こまめに小銭精算する方が脳トレになるんだとか。そうかと思って、本屋さんで現金払いを試みたら、手元が狂って床に硬貨を大量にバラまいてしまった。恥ずかしいのなんの、もう現金払いなんかしないぞ!(俊)

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