コラム記事一覧へ

2017年12月26日

【書評&時事コラム】年賀状をやめられないわけ

 年賀状の宛名を印刷したら、例年より十数枚少なかった。調べてみたら、「喪中につき」という欠礼が1年前より大幅に増えていた。圧倒的に多いのは親だが、おじおば、兄弟姉妹、中には連れ合いを亡くした人もいる。

 私もそうした年代だから、欠礼状が増えるのも当然と言えば当然だが、淡々とした文面の背後に、それぞれの家庭の事情や悲しみが浮き上がってくるようで、他人事とはいえ、寂しさが募る。

c171226.jpg 厚生労働省の人口動態統計によると、2017年の日本は出生数約94.1万人に対して、死亡数は約134.4万人。差し引き40.3万人の“死亡超過”だそうだ。出生数は過去最低で、人口の自然減は今後、さらに拡大する見通しという。年賀欠礼が年々増えるのも、それと無関係ではないのだろう。

 しかし、年が明ければ、元気な赤ん坊や子供たちの写真を添えた年賀状もたくさん届き、受け取る方の気持ちも明るくなる。月並みだが、子供たちの成長は、未来の希望そのもの。こんな短い期間に「世代交代」を実感するのも年賀状ならではであり、やはりやめられない。そんなことを思いながら、今回も何とか出し終えた。年明けが楽しみ。(俊)

PAGETOP