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2018年2月20日

【書評&時事コラム】「健康経営」がキーワードの時代

 現代企業にとって、「健康経営」がキーワードになっているそうだ。私は当初、業績が良くて借金のない健全経営のことだと思っていたが、とんでもないカン違い。文字通り、社員の健康を重視する経営のことだった。

c180220.jpg 先日、ある大手証券会社が発表した「健康経営」に関する施策では、社員には健康診断を義務付け、そのうえで病気になったら治療費などを援助する。職場にストレスが充満しないよう、リーダーや社員からの“事情聴取”を月1回は実施し、家族など個人的な事情が絡む場合は、コンサルタントも紹介するという。

 時代は変わった、と思う。私が現役時代だった1970~90年当時、健康や病気は個人的な問題であり、夜の夜中まで仕事をしながら健康を維持することが、優良サラリーマンの条件だった。1週間でも会社を休もうものなら、「机がなくなる」と這ってでも出社し、がんや精神疾患などは会社には絶対の秘密。やせ我慢しながら、仕事をしたものだ。

 しかし、現代の会社にとっては、できる社員には病気を抱えても仕事を続けてもらわないと、後ガマがいない。それならいっそ、病気にならないよう、予防まで会社で面倒をみよう。「健康経営」の背景には、そんな事情があるようだ。ああ、現代で仕事をしたかった。とも思わないけどね。仕事に“遊び”がなさそうだし。(俊)

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