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2023年5月 2日

【ブック&コラム】『リスキリングは経営課題』

学びは「工場モデル」から「変化創出モデル」へ

c2304_2.jpg著者・小林 祐児
光文社、定価:本体1012円(税込)


 DX人材ニーズ、人的資本開示の後押しでブームを迎える「リスキリング」の動向を概観しつつ、本質的な「学び」になっていない齟齬感を内外の研究・学説に照らして著者は考察する。

 日本の勤労者は、必要な教育訓練を受け、配属先に適応し、目標設定に関わり、努力もしているので、それ以上WILLを鮮明にして主体性を発揮しなくてもそこそこ能動的に仕事はできている状態にあり、その点がリスキリングと相性が悪すぎると指摘する。今、展開されようとしている「目標設定=スキル獲得=資格取得」という一直線のベルトコンベア式「工場モデル」の教育は、時代の要請に反すると警告し、学びたい人だけが学び、企業は不足するポストに個を送り込むだけになってしまうと、その先は孤独な自己責任論に行き着くだろうと悲観的に見る。

 そこで提案されているのが、「工場モデル」に対峙する概念「変化創出モデル」だ。他者を巻き込む創発的営みという学びの共同体機能は企業が担うべきだとして、コーポレートユニバーシティの進化に希望をつないでいる。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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