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2016年10月 1日

アドバンスニュース「報道局だより」27・西暦表記と元号表記

 新聞や放送、インターネットのニュースを読んでいて、西暦で書かれている記事なのか、平成や昭和といった元号で書いてある記事なのか、迷った経験はありませんか。場合によっては、来年に計画されている事象を、だいぶ先の話だと勘違いして誤認してしまうことも。この混在は、発信する記者(媒体)もいまだに戸惑う時がしばしばある。先に記しておくが、本コラムでは西暦と元号の本来の「意味や説」、あるいは「使い分け」に関する思想信条といった話には踏み込まない。

tayori.png さて、記者は自身が所属する媒体の「表記(記者)ハンドブック」を絶対的基本に置いて執筆しており、その中において西暦・元号の表記も明確になっている。筆者は新聞記者時代、西暦表記の媒体だったが、「報道協会で統一」ではなく、媒体の考え方によってさまざま。最近は、西暦表記が8割以上になっている感触もあるが、筆者のように成人するまで元号の「昭和」に馴染み、また両親ともに昭和生まれの環境で育つと、記者になってから西暦表記に馴染むのに時間を要する。

 筆者と時代を同じくしなくても、「紛らわしい」と感じた人は少なくないだろう。西暦表記に馴染んだとは言え、いまでもデスクの前に「西暦と元号の対照表」、つまり「2003年=平成15年」といった現時点から前後10年ほどの紙を貼って、執筆の際に小まめに見ている。それは、行政からの発信や裁判関係の書類がすべて元号表記であるため、西暦に置き換える必要があるからだ。「2020年・東京五輪」のようなケースは稀(まれ)な方だ。

 「媒体ごとで決め事があるのなら迷わないのでは」と思われるかも知れないが、法律の改正などでみられる行政の「平成24年法」という“固有名詞”になっている時など、それまで西暦表記で執筆してきたにも関わらず、カッコ付ながら元号表記の使用がやむを得ない場合が生じる。出来る限り西暦に直すのだが、議論などで有識者の発言を記事中に起こす際に、その人が元号で繰り返し論じている場合などは、勝手に変えるのに抵抗感がある。

 西暦と元号表記の紛らわしさの延長線上にある話として、西暦が12月末まで、元号は年が新しくなっても「年度」という範囲の中では3月31日まで、という別の「ややこしさ」もある。こればかりは、気を付けて執筆し、気を付けて読んで頂くしかない。これまで育ってきた入学や卒業などの思い出を含めると、元号と年度には愛着があり、筆者は単に「紛らわしい」と一蹴することなく、日本の文化のひとつと受け止めようと思っている。

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