総合的なニュースを扱う報道媒体が、いつもアンテナを張っている情報が「天気・天候」だ。災害という一線を超えなくても、日ごろから敏感で、小まめに読者や視聴者に発信している。気温を含む天気に対するニーズが高まっていることもあり、新聞もテレビも年々、情報提供する紙面枠や時間を拡大し、かつ詳細になってきている。
例えば、一般紙を例に挙げてみる。概ね、天気は最も読者の目に入りやすい一面の中段に配置される。全国紙であれば主要10都市、地方紙であればエリア内の主な市部の天気を、各媒体の晴れ、曇り、雨の「お天気マーク」とともに、最高・最低気温、降水確率を付けて掲載するのが一般的だ。
30年ほど前の感覚では「それで十分」という認識だったが、1990年代半ばあたりから、各媒体が「天気予想」(かつては天気予報)を競って拡大、拡充するようになった。1日の3時間ごとの移り変わりや、週間予想はもちろん、洗濯日和かどうかの湿度や花粉の状況まで関連情報も満載に。
そうなってくると、従来まで活用していた気象庁や各地の気象台発表の情報で飽き足らなくなる。民間の気象予想サービス会社と有料契約をして、主要都市や市部のみならず、媒体エリアの主な町村や観光地などのピンポイント天気予想を盛り込んでいく流れが主流となった。気象予報士の誕生と同時期だった感もある。
読者の評判は良いので、新聞社にとって困った現象ではない。しかし、限られた紙面でどこまで拡大・拡充させるかが、紙面改編の際の悩みとなってきた。新聞紙面のニュース枠は事案の大小によって一定のやり繰りができるものの、新聞社名の題字下の広告枠や天気予想の場所(スペース)は、いったん決めたら次の改編までは固定するのが常道。その結果、現在は全国紙でも地方紙でも、天気図を含む概況などを一面に、詳細な「お役立ち天気関連情報」は社会面の下段や地域版に配置するなど、工夫を凝らしている。現在も媒体の競い合いは続いている。


















