流通、金融、行政など、年の瀬の12月はあらゆる業界で多忙な月となる。単純に、業務量増だけでなく、精神的にも見えない何かに急かされているような気持ちにもなるから不思議だ。報道業界もご多分に漏れず、師走は業務が集中する傾向にある。では、なぜ師走は平月より忙しくなるのか、経験則に基づいて少し整理してみたいと思う。
全体として、12月特有の情報が多いのが要因の根本にあるだろう。政治は来年度予算の各省庁の最終要求や編成、現在は「ない」とは言われつつも存在する“復活折衝”がクリスマスの前後まで展開される。記者にとっては、12月だけの深夜・未明まで取材と執筆を繰り広げる恒例行事(業務)だ。予算は政治部と経済部だけでなく、核燃、教育、港湾、社会保障などすべての各担当セクションに関係するので、記者総動員でこなす場合が少なくない。
また、年明けの通常国会に政府が提出する各種法案について、それぞれの省庁が事務局を担う審議会で、法案提出の前提となる「答申」が相次ぐ。例えば、厚生労働省の労働政策審議会は、労使が対立しているテーマで予断を許さない議論の帰着点が「年内建議(答申)」を目指す12月となるため、この1カ月だけで4~5回の審議会が開かれることだってある。
このほか、行政機関などの統計ものや定点観測調査の12月発表・公表がある。他の月と異なり、12月の発表をもって単月ではなく「年間をトータルした結果」がうかがえることが多い。これも、繁忙の要因のひとつと言えるだろう。今年の動向を説明・解析するうえで、年間を通した執筆は報道記者として欠かせない。
加えて、年明けからの新連載の準備や執筆も、通常業務に並行して重なる。別な側面では、一般紙の報道とは言え、最近は芸能ニュースも「第二社会面」(テレビ欄側から開いて右側の紙面)の下段あたりに置くことが増えた。結婚、離婚、妊娠などが顔写真付で掲載されるのだが、個人的には「このクラス、認知度のタレントも一般紙で扱うのか」と感じることも。この類のニュース(話題)が12月は比較的多い。そんなこんなで、師走の記者は異業種の忙しい人たちと一緒に走り続ける。


















