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2020年2月27日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」9・令和2年1月14日公表版の労使協定(イメージ)④

Q 労使協定方式の「基本給及び賞与」については、どのような点に注意して参考にしたらよいでしょうか。

koiwa.png 労使協定のイメージ(令和2年1月14日公表版)では、基本給及び賞与の一般賃金の適用について、2例の新たな条項案が示されています。

 「派遣先の事業所所在地が複数地域となる可能性があるが、各地域で共通する賃金表を使いつつ、地域係数を用いる協定対象派遣労働者の賃金を調整する場合」は、都道府県や公共職業安定所の管轄をまたいで同一職務内容の派遣先が存在する場合には、一枚の賃金表を共通ルールとすることで、作成の効率化をはかることができます。

 イメージには「職種が複数あり、かつ派遣先の事業所所在地が複数地域となる場合の記載例」なども紹介されていますが、こうした方式を応用することで、実際の賃金表はかなり柔軟な運用をすることが可能となるでしょう。

 条文自体は「職務給」によって賃金表(等級)を構築する例とされていますが、成果給や能力給といった基準によって運用することも可能です。イメージでは残念ながらそうしたバリエーションは掲載されていませんが、例えば販売職や営業職などの場合は成果給に基づく運用も有力な選択肢といえるでしょう。

 「等級で能力・経験調整指数を使い、号俸(昇給レンジ)で第2号ロ「職務内容等向上があった場合の賃金の改善」を使う場合の記載例」は、「職務内容等の向上があった場合の賃金の改善の例」として、①追加の手当を支給、②職務内容等の向上に応じた基本給・手当を支給、③より高度な業務に係る派遣就業機会を提供のパターンが紹介されているのに対応しています(マニュアルP90~)。実務的には③のパターンは多くはないと思われるため、この2パターンを基本に運用していくケースが多いでしょう。

(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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