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2021年5月13日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」71・令和3年の派遣事業報告書①

Q 令和3年度の派遣事業報告書の変更点があると聞きましたが、具体的にはどのような内容なのでしょうか。

koiwa1.png 労使協定方式の賃金額については、コロナ禍における派遣労働者の雇用の維持・確保への影響が懸念されることから、一定の要件を満たした場合の「例外的取扱い」が置かれることになりました。例外的取扱いを適用した場合は、「別紙様式」(「労使協定方式における現下の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う労働市場への影響等を踏まえた取扱いに関する提出様式」)を事業報告書に併せて2部、事業主管轄の都道府県労働局に提出しなければなりません。

 別紙様式では、①派遣労働者の雇用維持・確保を図るために講じる対応策、②事業活動を示す指標の根拠書類、③令和2年度の一般賃金が適用される協定対象派遣労働者数等について報告することになります。①③は別紙様式に記載し、②は根拠書類の写しを事業報告書に添付して提出しますが、根拠書類については令和3年度局長通達(職発1020第3号)の内容に対応することになります。

イ 「労使協定を締結した事業所において、労使協定締結時点で、雇用調整助成金の要件(事業活動を示す指標が5%以上減少)を満たしていること」など、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による事業所全体の事業の縮小状況
ロ 特定の職種・地域におけるこれまでの事業活動を示す指標の動向。
例えば、以下のものが考えられること。
・「労働者派遣契約数が、令和2年1月 24 日以降、継続的に減少していること」
・「労働者派遣契約数が、対前年同月比で継続的に減少していること」
・「新規の労働者派遣契約数が、対前年同月比で継続的に減少していること」
ハ ロの動向を踏まえた令和3年度中の労働者派遣契約数等への影響の見込み

 具体的には、指標を売上高としている場合は売上高が確認できる「月次損益計算書」、雇用調整助成金の要件の場合は雇用調整助成金支給申請書、同支給決定通知書、特定の職種・地域の事業活動を示す指標の場合は派遣契約数推移表などが挙げられます。

 労使協定を派遣元事業主単位で締結する場合(労使協定方式に関するQ&A、問1-3)は、事業報告書と同様に別紙様式も事業所単位で提出しなければなりません。提出期限は6月30日とされていますが、令和3年度は事業主が管轄労働局に申出を行うことにより、コロナ感染拡大による特例として8月31日まで延長することが認められることになります。


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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