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2015年5月 2日

【この1冊】『「タレント」の時代』

日本企業がグローバル競争で勝つには?

c150502.jpg著者・酒井 崇男
講談社、定価880円+税

 

 変化と競争の激しい時代にあっては、トップに誰が就くかで企業の存亡が決まると本書は警告し、タレント(才能ある人材)マネジメントを掘り下げている。

 優秀な人材を集めても利益に結びつけられず、グローバル競争に敗れ去る日本企業の“負けパターン”を分析した著者は「売れないモノを高品質に作り上げたのでは、はじめから終わっている」と断じる。それは、成功している自動車産業と凋落する電機産業、あるいは、恵まれた資源を有し教科書通りに手を打ったソニーの迷走と、何も持っていなかったアップルの躍進との違いだと読み解いている。人の面では、ワーカーとタレントの異質性を明らかにする一方、B級人材はA級人材を評価できない(ゆえに採用しない、登用しない、排除する)やっかいな現実を認め、組織側の課題も指摘している。

 成功モデルではトヨタの「主査」制度に注目し、人材スペックを越えた「ものつくりの魂」までを洞察。人事分野にとどまらず、生産工学、産業史をも概観する広範な知見が示され、読み応え十分の論考だ。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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