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2020年1月28日

【ブック&コラム】『定年消滅時代をどう生きるか』

ムリなく50年働くキャリア戦略

c200200.jpg著者・中原 圭介
講談社、定価860円+税


 2020年には「70歳までの継続雇用」を盛り込んだ高年齢者雇用安定法の改正案が提出されるだろうと著者は予想する。やがて努力義務が義務に変わり、さらに基準年齢が切り上がっていくと、事実上「定年」は消滅し、生涯現役が普通の社会になるとみている。

 一方で会社の寿命が短期化している事情を考えれば、50年の会社員生活で2回の転職(3つの職場経験)は当たり前になると語り、勤労者自らが15~20年単位でキャリアを組み直していく必要性を訴えている。ただ、そうした状況を悲観しているわけでは全くない。ITが進化した今は3年で一人前のスキルは身につくとの前提で、3回分野を変えて10人に1人の専門家になれば、かけ算の組み合わせで、累計9年で1000人に1人の希少人材になるとはじき出す。

 健康寿命を延ばし、人生100年時代を豊かに生きる鍵の1つに「学び直し」を挙げ、ITが進化しても思考力(読解力・論理力・直感力・感性)は代替できない構造を示しながら、例えばスマホから離れ五感を鍛える時間・読書の習慣を持とうと提案している。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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