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2020年12月 8日

【ブック&コラム】『面白いことは上司に黙ってやれ』

イノベーティブに働くヒント

c2011_1.jpg著者・春日 知昭
光文社、定価800円+税


 東芝からソニーを経て独立。ロボット開発の最前線を担う著者は、エンジニア兼経営者の半生から確信を得たイノベーションの哲学を本書に綴っている。

 管理系業務への疑問から退社・独立し、社長を名乗ってみたものの、肝心の仕事がないと気づいた起業時の心境もオープンに語り、「ロボットでビジネスをやる」と決めて以降の20年の軌跡を等身大で記述。実際、事前準備を考えすぎずに「とりあえずやってみる」チャレンジ精神で興味に任せて動いてるうちに優れたパートナーたちに出会い、内外の投資家・ベンチャーキャピタルにも恵まれてきた。対比して、失敗しない代わりに成功もしないこの20年の日本企業の選択を憂い、肝心な情報や富をGAFAに押さえられてしまった彼我の差を「ビジネス・スピリット」の有無に見出している。

 若手読者には「自分株式会社の社長さん」の意識を提案し、イノベーティブに働くための7つのポイントをアドバイスして締めくくっている。ちなみに、モーション・フィギア「高坂ここな」の開発秘話も読みどころだ。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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