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2021年1月12日

【ブック&コラム】『いまはそれアウトです!』

全員必読のコンプライアンスガイド

c2012_2.jpg著者・菊間 千乃
アスコム、定価1400円+税


 4つのコラムを挟みながら6章・計86の「やってしまいがちなこと」を挙げ、法的リスクを指摘するとともに、どこがなぜアウトなのかを解説したコンプライアンスガイドの仕上がりだ。

 冗談のつもりがセクハラで慰謝料請求、叱責のつもりがパワハラで暴行罪、といったリスク認識は相当浸透してきていると思われるが、では、夜食休憩を含めて残業代を請求したら不正受給で詐欺罪、能力・成果ではなく好き嫌いで部下の考課をつけたら裁量を超えているとして懲戒対象......といったケースはどうだろう。プライベートの問題とされがちな不倫も、会社の社会的信用に悪影響を及ぼしたと解釈されれば懲戒の対象になるという。新人に宴会芸を(強制ではなく)期待しても、内輪で賭け麻雀をやっても、酔って道路で寝込んでも、書名の通りだと著者は弁護士の立場で警告している。

 いずれのトピックも、左にイラスト、右に解説という見開きレイアウトで構成され、お手軽に読める配慮がありがたい。研修の機会に参加者たちに1冊ずつ手渡すような活用法もありだ。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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