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2021年3月25日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」64・労使協定方式に関するQ&A第4集

Q 労使協定方式に関するQ&A第4集が出されたと聞きました。具体的には、どのような内容でしょうか。

koiwa.png 2月4日、厚生労働省から「労使協定方式に関するQ&A【第4集】」が公開されました。令和元年8月公表の第1集、同年11月公表の第2集、令和2年10月公表の第3集に続く第4集になります。第4集では「労使協定の締結」について6つのQ&Aが紹介されていますが、とりわけ労使協定の有効期間中において「賞与・手当等」の額を算出し直す必要があるケースについて注意喚起がされています。

 協定対象派遣労働者の「賞与・手当等」の金額について、「個々の協定対象派遣労働者に実際に支給される額」、「直近の事業年度において協定対象派遣労働者に支給された額の平均額」、「協定対象派遣労働者に支給される見込み額の平均額」を選択している場合は、直近の金額や最新情報を更新することができることから、「賞与・手当等」の額を算出し直すことが必要となります。
 問1―1では、労使協定の有効期間が1年で、新年度に向けて締結し直す場合、問1-2では、労使協定の有効期間が2年で、適用される一般賃金が変更された場合が紹介されています。いずれも、原則として「賞与・手当等」の額を算出し直す必要がありますが、「標準的な協定対象派遣労働者に支給される額」により算出しており、就業規則の定めに特段の変更がない場合には、実際の支給額が変更されることはないと考えられるため、「賞与・手当等」の額を計算し直す必要はありません。

 なお、令和3年度に「例外的取扱い」を適用する場合には、原則として令和2年度の一般賃金の水準に据え置くことが認められますが、この場合であっても協定対象派遣労働者の「賞与・手当等」については、原則通りに直近の金額や最新情報をもとに算出し直すことが必要であるため、注意したいものです。


労使協定方式に関するQ&A【第4集】


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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