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2023年10月 5日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」195・被扶養者資格再確認について

Q 協会けんぽから、健康保険の被保険者資格についての確認がありました。どのように対応したらよいですか。

koiwa1.png 協会けんぽでは、健康保険法施行規則第50条に基づいて、毎年度、健康保険の被扶養者資格の再確認が実施されています。具体的には、令和5年4月1日において、18歳以上である被扶養者(令和5年4月1日以降に被扶養者となった人は除く)が対象となり、令和5年10月下旬から11月上旬にかけて、協会けんぽから事業主宛に、順次「被扶養者状況リスト」が送付されることになります。事業主は、被保険者に対して対象の被扶養者が健康保険の被扶養者要件を満たしているかを確認した上で、被扶養者状況リストに確認結果を記入して、返信用封筒で提出しなければなりません。

 確認の結果、被保険者と別居している被扶養者や海外に在住している被扶養者がいる場合は、被扶養者状況リストに同封されている「被扶養者現況申立書」を記入して、被扶養者要件を満たしていることが確認できる書類を提出することになります。被保険者と別居している被扶養者については、「仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類」(学生の場合は添付を省略できる)、海外に在住している被扶養者については、「海外特例要件に該当していることが確認できる書類」となりますが、これらの書類を準備するためには相応の時間を要することがありますので、被保険者を通じての被扶養者の確認は、余裕をもって行うことが求められます。

 被扶養者の要件には、日本国内に住所(住民票)を有しており、被保険者に主として生計を維持されていることに加えて、(1)収入要件、(2)同一世帯の条件の両方を満たす場合が該当します。(1)収入要件は、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)で、同居の場合は収入が被保険者の収入の半分未満(別居の場合は収入が被保険者からの仕送り額未満)となります。

 (2)同一世帯の条件は、配偶者、子、孫および兄弟姉妹、父母、祖父母などの直系尊属、3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)、内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)が該当し、このうち、3親等内の親族、内縁関係の配偶者の父母および子については、被保険者と同居していることが必要となります。夫婦ともに収入がある場合における被扶養者については、被扶養者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者として認定を行います。

 再確認の結果、要件を満たさないことで扶養解除となる被扶養者がいる場合は、被扶養者状況リストに同封されている被扶養者調書兼異動届に、解除となる人の保険証を併せて提出しなければなりません。今年の提出期限は12月8日となりますので、被扶養者資格の再確認が終わり次第、できるだけ早く提出したいものです。


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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