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2024年1月16日

【ブック&コラム】『AI失業』

職業は消滅しないが雇用者は減っていく?

c2312_2.jpg著者・井上 智洋
SBクリエイティブ、定価990円(税込)

 早い段階から人工知能の動向を注視してきた"本業・経済学者"の著者が、AIがもたらす仕事・産業・経済の変化・功罪を考察する1冊。

 職業への影響では、AIの普及が進むと経済学でいう「技術的失業」が起きると確信し、職業そのものは消滅しなくても従事する雇用者は減少していくとみている。専門職・事務職・営業・販売・大学教員・プログラマーの各職種の未来を検証しつつ、労働市場の動きでは、ブルーカラーよりホワイトカラーのほうが先に大きな影響を受けると予測している。第四次産業革命が本格化する2030年頃、その"AI失業"はより深刻化すると見通しを示す一方、人との比較から、五感・感情はAIには理解できない領域だとも語り、相手の表情を察して寄り添うようなホスピタリティを例に挙げる。

 果たして失業者があふれかえるディストピアは到来するのか。それを回避する策として、著者はベーシックインカムの支えによる「脱労働社会」(労働が人生の中心を占めなくてもいい社会)を提案する。行く末は案外に悪くないのかもしれない。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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