人づくりプロジェクトの試みを報告
著者・樫原 洋平
PHP研究所、定価2475円(税込)
書名の「エッジソン」とは、「尖った人」を指す著者の造語。どこにも答えのない時代に答えを創る人、個々のプレイヤーのスキルを統合してオーケストラを完成させる指揮者のような「共創リーダー」を想定し、そのような人材を育成していく取り組みを本書に報告している。
概念は「青田買い」ではなく「青田創り」と表現されているものの、特定企業と特定の学校の関係ではなく、N対Nの公共性を確保して展開させる狙いから「一般社団法人エッジソン・マネジメント協会」を設立したと補足する。具体的には学生のプロジェクト活動に経営者・社会人メンターが関与していく形をとり,すでに万博参加や地方活性化等の稼働実績があるという。これを高校3年+大学4年+社会人3年目を意味する「高大社」、「産官学」「地域内」でそれぞれ連携を広げていく展望を描く。
視線は他社を出し抜く採用戦略といった次元になく、国力を高める人づくりにある。企業人読者としては改めて自ら仕事に向き合う姿勢と意識の高さが問われているようで、緊張を覚える。
(久島豊樹/HRM Magazine より)